平成25年11月10日(日)乗泉寺高祖会・第4座、青年の一座にお参詣して、宮崎日良導師の御法門を聴聞させていただきました。
御教歌
いか計 うれしき事の あるやらん みるにゑまるゝ みるにゑまるゝ
大意
御弘通への思いを強く持ち、ご信心の美しい心を磨いて、人にも笑顔をお布施することの大事をお示しの御教歌です。
仏教では菩薩行の大事さを教わります。菩薩行とは人を慈しむ行為のことで、具体的には布施行という実践方法をお示しです。
中でも「無財の七施」といって、たとえ金品がなくてもお布施は出来るのであり、七施の一つに「和顔施」という教えがあります。笑顔で人にせっして、優しい眼差しを施すことが、大きな功徳になるのです。
ところが、私たちの日常生活を振り返ると、人を憎んだり争ったりと、笑顔どころか心が曇ってしまいがちです。下手をすると、心のアカが毎日たまっていくばかりなので、ご信心によって心の掃除をしていくことが必要となるのです。
劇「泥かぶら」の話。(泥まみれダイコンの事)
容姿の醜い少女がいて、皆からあざけり笑われ、意味もなく石つぶてを受けていました。ある日、少女は老僧に会い、三つの事を守るようにいわれました。
①自分に恥じないこと
②毎日ニコニコしていること
③他人の身になって考えること
その後、少女は約束を守り、心穏やかに暮らすようになりました。
ある日のこと、村へ人買いがきて、少女は身代わりとなって、買われてしまいました。しかし、少女は自分の不遇を嘆き悲しむことなく、老僧との約束を守って暮らしたのでした。
人買いは、少女の心優しさに感化されたのか、置手紙を残し去っていきました。その手紙には「ありがとう仏のような子よ」とつづられていました。
表情学の権威である工藤力先生は、笑顔の人への伝染力を述べられています。
・笑顔は人にも伝染する
・笑顔が人をひきつける
・明るい結果、物事が好転する
・7~8歳、実年齢よりも若く見える
そればかりか笑顔を心がけていると、凡夫の心が清められていきます。私たち信者は御法様への御給仕として御題目をお唱えさせていただくのです。笑顔を捧げるつもりで御題目をお唱えすると、御法様も一緒にお喜びとなられるのです。
御法様にお喜びを頂きたいという気持ちを持つこと、それがお給仕の精神であり、心を磨く修行になるのです。
つまり、笑顔→喜び→御利益となるわけで、感謝の心を持つことで、より良い雰囲気となって、素晴らしい循環になるのです。
ご信心で教わったことを素直に守り、御題目口唱信行に励ませていただくことで、自分が周囲を明るくできるような存在になれるよう、笑顔を心掛けることが大事と教えていただく御教歌でした。
この御法門を聴聞させていただいて強く感じましたことは、どんなに御奉公が忙しいときであっても、老僧の言った三つの事を守ることが、真の御奉公ではないかと気づけたように思います。N.O