「僕は本門佛立宗というご信心をしています。これからお寺にお参りするので一緒に行って下さい。」これが主人との初めてのデートで言われた言葉です。
当然ですが、私はビックリしたのと同時に、何か怪しいツボでも買わされるのかなという不安な気持ちで一杯になりました。そしてお寺に着くなり「隣に座っているだけでいいよ」と言われたので、側で様子を伺っていると「南無妙法蓮華経」と唱えているので、またビックリです。
宗派は違いますが私は小さな頃、祖母に仏壇の前に座らされ「南無妙法蓮華経」と手を合わせていました。何かあった時には「南無妙法蓮華経」と唱えるといいんだよと言っていた祖母の言葉や、金縛りに合う度に「南無妙法蓮華経」と必死で唱え、体がスッーと楽になった事などを思い出しとても親近感が沸きました。
しかし、いざ結婚するとそんな甘い気持ちはすぐに吹っ飛びました。主人とご信心中心の生活が始まったからです。勿論私には全然理解が出来ず、何度も反発しやりたくないと訴えました。しかし、主人の応えは「君を幸せにしてあげられるのは僕じゃない。御法様なんだよ。」と返事はいつも同じでした。
主人は、何とか私をお寺へ足を運んで貰おうとご奉公の後には友人の夫妻を巻き込んで飲みに行くとか、夕食作りの免除とか、あの手この手を使って奮闘してくれました。友人夫妻には、ご信心の悩みから夫婦喧嘩の仲裁まで、多方面にわたりお世話になっていたので飲み会はいつも楽しかったけれど、正直それでもご奉公や御講参詣は苦痛でした。
そんなエサにつられて嫌々させられていたご信心でしたが、ある事がきっかけとなり気持ちが変わっていったのです。
4年前、椎間板ヘルニアで2週間程入院しました。その時、乗泉寺あゆみ会の方々が中心となりお助行をして下さいました。その当時お受持ちだった御講師と沢山のご信者さん方が私の為のお助行をして下さいました。「とても良いお看経があがったよ」と主人から聞いた時には素直に嬉しく、有り難くて涙が出る程でした。
勿論、祖父の代から続く、家のご信心があったからこそなのですが、大勢の方々が私の為にお看経をあげて下さった事が入院中の私には何より励みになったのです。そして皆さんのお助行に報いる為に、自分はどうすべきか考えました。
その答えは、私もお看経をさせて頂き、御宝前にお願いをして一日でも早く元気になり、ご奉公をさせていただくことなのではないかと思い当たったのです。もうこれが私の生きる道なのだ!どうせなら少しでも楽しくさせていただこう。そう気付いた時逆に気持ちが楽になりました。今になってみると、あの時のお助行には当病平癒のお願いだけでなく、色々な想いが込められていたのかなと思わずにいられません。
宗外者の嫁をもらった主人は、苦労が多いと思います。でも、私の頑張る姿を見て自分も頑張れる、私に折伏しながら自分自身にも言い聞かせていると主人も言っていますのでそれはそれで良かったのかなぁと思っています。
栃木と東京、運命的な出会いをしてしまったのですから、そう簡単に投げ出すことは出来ません。結婚11年目、夫婦揃って毎日お寺参詣が出来ること、二人とも健康でおいしいお酒が飲めることや、いつも支えて下さる方々に出会えたことを御宝前に感謝しています。ありがとうございました。(R.A)
あゆみ会大会信行体験談発表