ありがとうございます。本当に大好きで、大切な人のために、あなたは何をしてあげることができると思いますか?その人が好きなものをプレゼントしてあげたり、そばにいてあげたり、優しい言葉をかけてあげれば、きっとその人は喜んでくれると思います。しかし、その人がもっと幸せになれるように私たちができること、それはご信心をお勧めさせて頂くことではないでしょうか?
仕事で活躍するために人間関係に恵まれたり、パートナーと望むような家庭を築いたり、無事故で健康でいるための原因のほとんどは、個人の努力を超えたご縁やタイミングに左右されるものだと思うからです。
私は現在、渋谷で会社に勤務する24才です。二年前に学校を卒業、就職をしてすぐの夏、仕事の忙しさのため、勤務先近くのアパートで一人暮らしを始めることになりました。実家を出る数日前のある夜、一人で洗面所でお風呂の準備をしていて、突然の寂しさに襲われました。リビングから聞こえてくる妹の笑い声や、父が爪を切る音、母が台所で野菜を切る音、今まで二十二年間当たり前だった生活は、変わっていくものなんだ、と実感をしたからです。そして寂しさの中から、両親に恩返しをしたい、と強く思うようになりました。
母はいつも私たちの幸せのために、御宝前に手を合わせてくれていました。ことあるごとに、「南無妙法蓮華経とお唱えしなさい」と教わり、本当にお唱えするだけで物事がうまくいく御利益を何度も頂いてきました。そして一番の御利益は、その事に対する深い感謝の持ちを自覚できるようになったことだと思います。
これから先もまた、環境が変わったり、どんな出会いや別れを経験するか全く分かりませんが、両親に健康で長生きをしてもらい、できるだけ恩返しをさせて頂くためにも、私が御題目をお唱えさせて頂くことが大事なのかなと考えています。
本当に大事な人のために拝むことができ、願いを叶え、今よりももっと深い感謝の気持ちを知ることができるのが、このご信心だと思います。若輩者の私の言葉では生意気ですが、まだご信心を知らない方が、少しでも本堂で手を合わせてみようと感じて頂けるとありがたいと思います。ありがとうございました。(A.K)
御教歌 おのが身はあな有難やあなうれし 何故なれば南無妙法蓮華経
平成22年発行 信行体験談集「涌出」より