本年も世田谷別院、八王子別院で彼岸会が奉修されました。
当日は晴天に恵まれましたが、気温が低く、寒さと戦いながらの御奉公でした。
そんな中、沢山のご信者がお参詣をされ、花や線香をお求めになり、教務さんからお塔婆を浄書していただいて、お墓にお供えされておりました。
最近では、先祖を弔う風習が薄れて来ている世の中ですので、そんな中寒さを我慢しつつお墓参りをするご家族を見ていると、こちらとしても大変嬉しく、随喜する思いです。
彼岸会は、春分、秋分の日を中心に前後の一週間、日本では先祖供養のため、家族でお墓参りをする習慣となっております。
この彼岸会は、日本で生まれた習慣で、古くは延歴25年(806年)3月17日に、勅命により崇徳天皇追善のために行われたと記録にあります。
ところで、「彼岸」は正しくは「至彼岸」といい、功徳によって此岸(娑婆世界)から彼岸(寂光浄土)に至ることを意味しております。
お祖師様日蓮聖人は
「生死の大海を渡らんことは妙法蓮華経の船にあらずんばかなふべからず」
とお示しで、上行所伝の御題目の船でなければ「彼岸」へ渡れないと仰せです。
私たち佛立信者は、ご先祖の回向とともに、自分自身も迷いなく「彼岸」に渡れるように、日頃から御題目口唱をしっかりとさせていただくことが大切です。
御教歌
かのきしに わたす御法の 舟歌は きくもいさまし 南無妙法蓮華経
(乗泉寺通信 平成26年3月号6頁参照)