佛立第二十二世講有・乗泉寺第二十一世住職、日慶上人の御13回忌法要を、来月10月22日に渋谷・乗泉寺において厳修させていただきます。日慶上人は、乗泉寺を正常化された大御導師です。そのご恩を思い起こす一助として、上人がご執筆になれた直道抄を本日より数回にわけて掲載させていただきます。
御教歌
何もかも みなよいことヽ かはりゆく
世は人につれ 人は世につれ
私どもが裟婆世界において生きてゆくうえで、御題目様から頂ける果報の見出し方をお示し下された御教歌です。
世の中が時々刻々変化してゆく無常の中で、その変化に対応しつつご信心をお持ちすることが、私どもにとって大切なのです。
御教歌の下の句に「世は人につれ人は世につれ」と仰せのごとく、世の中の変化というものは、人によってもたらされる部分が多く、また逆に、科学や経済等の発達に伴って人々の生活様式が変わってゆくという面もあります。しかし、世の中が変化してゆく状態を的確に把握して対応をはかるのは、なかなか難しいことです。
例えば、医学の進歩によって、ひと昔前には救い得ないとみなされていた病気を治すことが可能になったような例もありますが、一方では、延命措置や脳死判定、あるいは薬の副作用等の新たな問題も生じております。恐らく、誰もが予期することのできなかった問題でありましょう。
このように、私どもが住む裟婆世界における出来事は、どこまでが確かなものであるのか、見きわめがつきにくい事柄が多いようです。そのような中で私どもがお持ちしてゆく、本門肝心上行所伝の御題目のご信心は、口唱信行によって功徳を積み、その功徳から身付きの果報が得られることを教えて頂くものであります。
殊に、変化の多い世の中では、その時に応じた物事への対応力とでも呼ぶべき果報を頂くことができるのです。すなわち、何事もご信心第一にさせて頂けば、世の中に何か変化があっても、その弊害を受ける度合いが少なくなる、ということです。
このような、変化に対応できる御利益を蒙るために必要となるのは、御宝前のお導きに全てをお任せしながら、日常信行を着実に積み重ねてゆくことです。この「お任せ」の信心によって物事を長い目で見て、御奉公を続けてゆく間に、世の中の変化に気付いて、もっとご信心に励まなければ、と自覚を深めたり、或いは変化の多い世の中でも御利益を頂いて、更にご信心への随喜を深めてゆくことが、善因善果のあり方に結び付くのです。
具体的に申しますと、自宅において、毎朝のお看経の際、今日無事で過ごせますように、とのご祈願をさせて頂くことは、世の中の変化に対処してゆけるようなお計らいを蒙るためのご祈願につながります。そして、夕方のお看経で商売繁盛等の御礼をさせて頂ければ、商売等をなお一層継続できますように、とのご祈願に結び付いてゆくのです。
したがいまして、私どもは、凡夫考えでご信心をおろそかにしたりせず、世の中の変化に応じた御利益を蒙ることができるよう、日常信行に怠りなく励まさせて頂くことが肝心です。
ありがとうございます。私はほとんど日慶上人の思い出がなく、祖母や両親から聞いたお話ばかりです。それも記憶が薄くなっています。上人がご執筆になれた直道抄を掲載していただけるとのこと・・・嬉しく思っております。有り難く拝読させていただきます。
私も日慶上人には大変お世話になりました。
大変面白い話を良くしてくださった事を思い出します。
今度の法要には是非お参詣させて頂きたいと思います。
四代目さん、Y・Aさん、コメントありがとうございます。直道抄を数回にわたり掲載させていただく予定ですので、日慶上人のお人柄にふれていただければと思います。また、法要にあわせて上人との思い出話を掲載した記念誌を発行する予定ですので、ぜひそちらもご覧頂ければと思います。