今年の年間総祈願のなかで、むづかしいことは、家庭の信行充実ということです。やさしいようでも、実際は、そうとうな困難をともなうものです。それだけ一層ご祈願させて頂いて、お計らいをこうむらねば成果はあがりません。
家庭はそれぞれ事情があって、一様ではありません。家族一同が信心を喜んでいる場合、主人が家内にまかせきりでおかんきん(朝夕の勤行)をしない場合、子供が拒否している例など、千差万別といってよいでしょう。
それ故、今年は、わが家の信行充実の目標をどこにおくか決めて、それを祈願させて頂くと同時に、それに向って計画なり、指導をうけるなり、ともかく努力しなければならぬのです。
たとえ一人でも、家庭の中で真剣に目標に向って努力して、祈願をはじめると、妙法の経力によって必ず味方があらわれます。その味方とさらに協力して家庭全体の信行充実に一歩前進できるのです。
例えば、家族全員の「お願い」をききだして、それを祈願させ、ご利益を頂くまで一緒に祈願して応援する。家庭内なら、うまく話し合う時間はとれるものです。
勿論、中心になる方が、まず自らご利益を体験して、それを確実に他に伝えることをくりかえし行えば、遂にはそれがよろこびにかわって、私も、やってみようという気になれるのです。
家庭の信行充実に成功している例も、教区内には必ず一軒や二軒はあるものです。そういう好例を参考にして、ともかく一歩ふみだして下さい。成果をあげましょう。
昭和59年6月発行 乗泉寺通信より