先日、乗泉寺にある宝物庫の整理を教務部でさせていただきました。その際、いくつかの宝物の写真を撮りましたので、その中から良い物を随時、載せていこうと思います。
今回は、その中から開導聖人がお描きになられた「竹と雀」の絵を紹介させていただきます。
この絵は、2m弱ほどの大きさで、描かれた年代は伝わってはおりません。写真ではお伝え仕切れないかもしれませんが、墨の濃淡を上手に使い、絵と余白のバランスが素人目に見ても絶妙に思えます。
竹と葉の線は躍動感にあふれ、まるで本物の竹がそこにあるように感じられます。近くで見るとただの線に見えるのですが、離れて見ると素晴らしい竹の絵となります。こういった全体のバランスが見事なものとなっております。
また、その竹に止まっている雀が、たらし込みの技法を使っており、今にも飛び立ちそうな感じが致します。
開導聖人は宗教者という枠を超えて、とても芸術的才気溢れるお方でもあり、小さい頃より、書と画を学び、十歳の時、平安人物誌(当時の一流の芸術家たちを載せた名簿)の書と画の部にも名を列したことでも有名です。その才能と技術を存分に生かした絵の一つではないかと思います。
今後もこのような感じで、乗泉寺の宝物を紹介させていただきます。お楽しみに!