お助行

お助行とは、読んで字のごとく、修行を助けること。即ちご信心の有難さや仕方が分からない、またお願いごとがあるご信者の修行を助成して、ご信心への意欲を高めることを言うのです。

先月7月17日、私はこのお助行について、30名程のご信者さんの前で解説、講義をさせていただきました。お助行での体験談を思い返しつつ、事前に渡されたテキストや他の解説書を見て勉強をし当日の講義に臨みましたが、改めてお助行の尊さに気づかされました。

近年の社会情勢を見ておりましても、他人がどうなろうが関係ない、自分さえ良ければいいという風潮がより強くなっています。毎日、新聞やテレビで報道される事件や事故は、自己中心的な出来事ばかりです。

そんな中、私ども佛立信者は他者の幸せの為に、自分の時間やお金、労力を厭わず、お助行に伺い、一緒になって御題目を唱えさせていただけるとは何と尊いことでしょうか。

今、日本社会が忘れつつある他者を思いやる心、親切心、慈悲心が、お助行の中にあることを感じました。お助行を通じて人が喜び、幸せになっていく様子を見ますと、何とも言えない充実感で満たされます。

仕事や家事、育児など、やらなければならない事が山積みで人のことなど構ってはいられないと思うかもしれませんが、そういう方こそ、一度お助行に行ってみてはどうでしょうか。日常では味わうことの出来ない感激や感動があなたを待っていることでしょう。


初心に帰る

    今年から、本堂水屋(本堂裏にある水場。そこで御宝前にお供えする食物を用意したり、使用する仏具を洗ったりする場所)のご奉公をさせていただくことになりました。

 このご奉公は、教務さんになる前の見習い期間に覚えて身に付けなければならない、大切なご奉公の一つです。このご奉公ができなければ教務さんにはなれない、いわば登竜門というべきご奉公なのであります。

 具体的なご奉公内容を申し上げますと、御宝前裏の水屋や廊下の拭き掃除、本堂前方にある教務座周辺の掃除機かけ、水屋で使用した布巾やタオルの洗浄、水屋の水場シンク磨きなど。。色々とあります。また、お布巾やタオルの洗い方は全て手洗いで、布巾の種類によって洗う順番が決まっています。洗った布巾やタオルは物干しに掛けて、扇風機を当てて乾燥させます。水屋ご奉公は、様々なルールの中、させていただくのです。

 昨年は、もう一人教務見習いさんが入寺されたため、助手としてのご奉公に専念しておりました。

 その教務見習いさんも無事に得度され、今年から助手としてご奉公されるようになったため、水屋のご奉公は数名で毎日交代しながらさせていただくことになり、私もそのメンバーとなったのです。

 約9ヶ月ぶりのご奉公でしたので、はじめ少々不安がありましたが、意外と覚えているもので何とかご奉公させていただいております。

 布巾洗いや拭き掃除をしながら、教務見習いであった日々を思い出しました。当時は、毎日先輩方に叱られながら、一日中ご奉公させていただいておりました。寒い日も暑い日も、気持ちの乗らない時や体調が芳しくない時も、毎日水屋のご奉公はありました。どんなに辛い中でも絶対に負けないぞと必死になっていた自分が目に浮かんできました。

 入寺して約2年。現在の生活にも慣れ、多少心の余裕も出てきました。今こそ、当時の気持ちを思い起こして、御弘通ご奉公に精進しなければと思う今日この頃です。

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得度して感じたこと

ありがとうございます。私は昨年10月1日、ここ本門佛立宗乗泉寺にて得度(僧侶になること)をさせて頂きました。

得度式昨年4月より僧侶見習いとして入寺。原則外出禁止、飲酒・喫煙はもとより、携帯やパソコンの使用が禁止、毎日御宝前のお掃除とお看経(お題目を唱え続けること)。。。と本当に厳しい環境の中でしたが、時には厳しく、時には易しくご指導下された、お導師、先輩お講師のお陰で、何とか所定の見習いご奉公を終えることができました。

現在、得度をさせて頂き、約半年を迎えますが、当時を振り返って感じることは、“僧侶”になって本当に良かった、私の人生の選択肢は間違っていなかったということです。

私は大学卒業後、二つの職業に就きました。一つ目は老人ホームの営業マン、その後専門学校に通い、言語聴覚師士の資格を取得して病院に勤務していました。特に言語聴覚士という仕事は、脳梗塞等の脳の病気が原因で、うまくお話ができない方、また以前と同じような生活ができなくなってしまった方、あるいはうまく食べ物を飲み込めなくなった方のリハビリを行う仕事です。

この仕事は今後、様々な病院や老人施設での活躍が期待される将来性のある職業でした。そのため、僧侶になるか言語聴覚士を続けるか、本当に悩みに悩みました。最終的に僧侶の道を選択したのは、ただただ、ここ乗泉寺との縁の方が強かったからだと思います。

得度式2私は本門佛立宗乗泉寺の信者の次男として生を受け、その後、父が、さらには兄までも得度をし、僧侶一家で育ちました。小さい頃から乗泉寺にお参りし、大きなご本尊・御尊像に感動し、大きな法鼓の音にいつも興奮していました。また、この御本尊様からは、人生の節目節目で御利益を頂いておりました。

そして、乗泉寺の御講師や御信者さんとの縁に触れ、色々な面で助けて頂きました。ですから心のどこかに、いつか乗泉寺のために役に立ちたいと思う気持ちがあったのだと思います。その気持ちが言語聴覚士への気持ちよりも勝った、その表れが得度だったのだと思います。

現在、助手として先輩教務師について、ご奉公させて頂いております。本門佛立宗のご信心で救われた、お題目を唱えて人生の困難を乗り切った、というお話を御信者さんから伺うと、改めてこのご信心の有り難さ、そして正しさを感じます。そして、微力ながらでも、乗泉寺やご信者さんの為にお役に立たせて頂きたいとの思いが、より一層強く湧いてきました。

得度したばかりで何もできませんが、御信者さんが笑顔になって幸せになれるよう、そして、本門佛立宗を知らない方々がこのご信心で幸せなれるよう、一生懸命お題目口唱に励み、ご奉公に精進させて頂く所存でございます。

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