ハチドリのひとしずく

「 ハチドリのひとしずく」という話を知っていますか?

南米のアンデス地方に伝わる短いお話です。今、この短い話に世代を超えた多くの人が感銘を受け、ジワジワと共感の輪が広がっています。

森が燃えていました
森の生きものたちはわれ先にと逃げていきました
でもクリキンディという名のハチドリだけは いったりきたり
口ばしで水のしずくを一滴ずつ運んでは火の上に落としていきます
動物たちがそれを見て
「そんなことをしていったい何になるんだ」
といって笑います
クリキンディはこう答えました
「私は、私にできることをしているだけ」 

出典:「 ハチドリのひとしずく 」 辻 信一監修 光文社刊 2005年

このお話に共感した人が誰かに伝え、その人がまた他の人に伝えるというように、1人ひとりがハチドリとなり、そのひとしずくを少しずつ落としながら、ハチドリ「クリキンディ」の話は徐々にその輪を広げ、静かなブームとなっています。

温暖化や酸性雨、砂漠化など悪化する一方の様々な環境問題、ますます深刻になる戦争や紛争、飢餓や貧困といった人類の課題などなど、どの問題も「早くなんとかしなければならない」と、誰もが感じていることばかり。しかし、私たちに突きつけられる現実的な問題はあまりにも大きく「それでは自分に何が出来るのか?」と無力感もこみ上げてきます。 

小さな小さなハチドリが「私に出来ることをしているだけ」と、黙々と一滴を運ぶ姿は、そんな無力感を感じる心に、「何ができるかわからないけど、まずは私に出来ることをしよう」という勇気を与えてくれます。

周りにいる動物たちのようにクマドリが運ぶ小さな「一滴のしずく」を批判や嘲笑、傍観をするのは非常に簡単なことかも知れません。

ただし、どのような物事を始める時にも、はじめの一歩とそれを続ける勇気と努力が必要となるのではないでしょうか。

本堂祭壇1平成26年3月11日で東日本大震災より丁度3年目を迎えました。

昨日乗泉寺でも朝の勤行に併修して東日本大震災犠牲者の追善回向をさせていただきました。

また、終日祭壇を設置して、お参詣された御信者さん方に御焼香をして頂きました。

「微力」と「無力」とは決して同じ意味ではありません。私たち一人ひとりの「ハチドリのひとしずく」とは一体何か、どんな些細なことであっても日々出来ることから行動に移して行きたいものであります。

御焼香本堂祭壇2

 

 

 

 

 

 

 

 

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