先日、日比谷公園の近くを通りましたので、少し公園内を散歩しました。
イチョウやもみじが鮮やかに色づいており、目を楽しませてくれ、心も何だか穏やかになりました。
ぼんやりしながら、色づく木々を眺めていたところ、次の御教歌が思い浮かびました。
御教歌 雨露にうたるればこそもみぢ葉の 錦をかざる秋はきにけり
素晴らしい色々をつけるのも、きっと雨露の季節という厳しい季節を乗り越えてきたからなのだなあ。時には台風による大雨や暴風にあったり、また雨が何日も続き、日光にあたれないという苦しい状況におかれることもあったことだろう。でも、そのような逆境に耐えてきたからこそ、華やかな色をつけ、錦を飾る秋を向かえるのだと、御教歌をいただき、そのように感じました。
私達人間も逆境に立たされることがありますが、その逆境を耐えていくからこそ、人間としての器が広がり、力量もつき、そして、幸せへの道が開けてくるのだと思います。逆境の時こそ、チャンスだと前向きに受け止めていく。でも、とかく人間というのは、逆境に立たされたとき、その結果だけをくやみ、嘆き、投げやりになり易いものです。
御信心の世界でも、朝早く起きての朝参詣、お役の御奉公、お教化・育成や法灯相続など、なんでそこまで御奉公に励まなければと、私達凡夫は、つい愚痴を言ってしまうこともあるものです。
しかし、苦しい思いを耐え忍び御奉公させていただけば、必ずわが身の果報としてかえってくると教わります。今は苦しくても、一所懸命に御奉公させていただけば、目には見えませんが功徳というものが積まれていって、未来には、すばらしい身の上にしていただける。そのことを信じて、とてもできないと思う御奉公でも、前向きに取り組ませていただく。
お互いに、錦を飾る秋、つまり御利益感得の時期を迎えられるよう、逆境にたったときこそ、信心改良のとき、御利益がいただけるチャンスだと受け止め、忍の一字で御奉公に励んでまいりましょう。
開導聖人御指南に
『夏ノ肥モ秋来リテ稲米ノ上ニ顕ル この理を信せよ 遅キヲ不審スル事ナカレ』
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