世間で流れる流行歌、ハヤリの歌は、テレビやラジオから繰り返し聞こえて参ります。何となしに聞いていましても、自然と耳に入り、知らずのうちにメロディーを憶えてしまうものです。
それでも、いざ歌うとなりますと、何となく聞いているだけでは、歌詞も分からず、上手く歌うことはできません。カラオケの発表会などで、人前で歌うとなりますと、CDを買って繰り返し聞き、また歌詞カードを見ながら聞いて、憶えようとするものです。
さらに、一流のプロともなりますと、たとえ人が歌ったカバー曲でも、その歌詞の奥にある人の情念や、時代背景なども勉強して、歌う場にのぞむというのです。
このように、ただ聞いているだけと、目的を持って真剣に聞くということでは、大きな違いがありまして、ご法門聴聞でも、ご法門の場に参ること自体、功徳を積むことができますが、それ以上に、自らの信心改良、他の人にご信心をお勧めしようとしての聴聞は、大きな功徳を積ませていただけるのでございます。
御教歌
何となくうかと心にきくものゝ しらず仏の種をうゑけり