よく聴く

世間で流れる流行歌、ハヤリの歌は、テレビやラジオから繰り返し聞こえて参ります。何となしに聞いていましても、自然と耳に入り、知らずのうちにメロディーを憶えてしまうものです。

それでも、いざ歌うとなりますと、何となく聞いているだけでは、歌詞も分からず、上手く歌うことはできません。カラオケの発表会などで、人前で歌うとなりますと、CDを買って繰り返し聞き、また歌詞カードを見ながら聞いて、憶えようとするものです。

さらに、一流のプロともなりますと、たとえ人が歌ったカバー曲でも、その歌詞の奥にある人の情念や、時代背景なども勉強して、歌う場にのぞむというのです。

このように、ただ聞いているだけと、目的を持って真剣に聞くということでは、大きな違いがありまして、ご法門聴聞でも、ご法門の場に参ること自体、功徳を積むことができますが、それ以上に、自らの信心改良、他の人にご信心をお勧めしようとしての聴聞は、大きな功徳を積ませていただけるのでございます。

御教歌

何となくうかと心にきくものゝ しらず仏の種をうゑけり

 


知ってるつもり!?

テレビのクイズ番組で「小学○年生の問題です」「中学○年生の問題です」と言われるような設問に、大人の私たちが正しく答えられないような場合もあります。そのような時には、自分は今まで学校で習いわかったつもりでいたことを、本当はよく理解していなかったのだと、痛感させられるものです。

さて、ご信心のうえで、これと似たようなことは無いでしょうか。仏様は私たちのことを何もかもお見通しですよ、と教えられても、平気で御宝前(仏前)にご無礼を働いてしまう。ご信者さん同士は仲良くしなければいけませんよ、と教えられても、悪口や陰口を言ってしまう。他の人にご信心をお勧めしたら自分も必ず幸せになれますよ、と教えられても、勧めようとしない。このような状態では、一応本門佛立宗にはこのような教えがあるのだという知識を持ってはいても、それが真実の教えなのだということを、本当にわかっているとは言えないでしょう。

何事においても、自分は何でもわかっている、もう他人から何も聞く必要は無い、と驕り高ぶる思いが起きたなら、そこから先へ進歩していくことは難しくなってしまうでしょう。他の人が一回でできることなら、自分は十回やってみる、何回でも他人に聞いて、何回でも実践してみよう、というくらいの心がけが必要です。

あのイチロー選手は、現役を引退した後も、自分のバッティングはまだ完成されていないと言って、素振りを続けておられるそうです。あれほどの大記録を残してもなお、さらに高い次元のものを求めようとする姿勢は、私たちも見習っていかなければなりません。

本門佛立宗では、お寺や御講席の御法門で、仏様の御教えを伺うことが出来ます。お互いに、ご信心のことは何でもわかっている、という思いは捨てて、自分は何か心得違いをしていないだろうか、仏様の御心に沿っていないようなところはないだろうか、という謙虚な思いを忘れず、一度でも多く御法門を聞いて、聞いた教えの通りに実践していくよう心がけ、御利益を頂けるよう、改良を重ねてゆきましょう。

※乗泉寺(渋谷)では、今月31日まで、夏期参詣という夏のご修行期間です。毎日朝と夕方に御法門が説かれ、午前8時半から午後8時までは、本堂後方の「御法門聴聞室」で御法門のビデオを見ることができます。是非、お寺へいらしてご信心の教えを伺ってみてください。


Gohomon words

34. world of heavenly beings

   When we get married, pass an entrance exam or make money, we feel happy (souls of heavenly beings). But we will fall in the six agonizing worlds by losing the merits. For example, there is a possibility that we’ll get involved in a criminal case due to such money. On the other hand, thanks to merits accumulated through chanting, we can ensure any protections of the guardian kings of heaven as well as the Buddha in the past, present and future lives.

   結婚、入学試験の合格、或いは商売が上手く行けば、私達は喜びを感じます(天上界の心)。しかし、その徳がなくなれば、苦しみの多い六道の世界に転落する事になります。例えば、商売で儲けたお金が原因で、事件に巻き込まれる場合もあります。これに対し、口唱信行の功徳により、私達は三世に亘って仏さま、諸天善神の御守護をいただく事が出来ます。

*1. world of heavenly beings: 天上界