テレビのクイズ番組で「小学○年生の問題です」「中学○年生の問題です」と言われるような設問に、大人の私たちが正しく答えられないような場合もあります。そのような時には、自分は今まで学校で習いわかったつもりでいたことを、本当はよく理解していなかったのだと、痛感させられるものです。
さて、ご信心のうえで、これと似たようなことは無いでしょうか。仏様は私たちのことを何もかもお見通しですよ、と教えられても、平気で御宝前(仏前)にご無礼を働いてしまう。ご信者さん同士は仲良くしなければいけませんよ、と教えられても、悪口や陰口を言ってしまう。他の人にご信心をお勧めしたら自分も必ず幸せになれますよ、と教えられても、勧めようとしない。このような状態では、一応本門佛立宗にはこのような教えがあるのだという知識を持ってはいても、それが真実の教えなのだということを、本当にわかっているとは言えないでしょう。
何事においても、自分は何でもわかっている、もう他人から何も聞く必要は無い、と驕り高ぶる思いが起きたなら、そこから先へ進歩していくことは難しくなってしまうでしょう。他の人が一回でできることなら、自分は十回やってみる、何回でも他人に聞いて、何回でも実践してみよう、というくらいの心がけが必要です。
あのイチロー選手は、現役を引退した後も、自分のバッティングはまだ完成されていないと言って、素振りを続けておられるそうです。あれほどの大記録を残してもなお、さらに高い次元のものを求めようとする姿勢は、私たちも見習っていかなければなりません。
本門佛立宗では、お寺や御講席の御法門で、仏様の御教えを伺うことが出来ます。お互いに、ご信心のことは何でもわかっている、という思いは捨てて、自分は何か心得違いをしていないだろうか、仏様の御心に沿っていないようなところはないだろうか、という謙虚な思いを忘れず、一度でも多く御法門を聞いて、聞いた教えの通りに実践していくよう心がけ、御利益を頂けるよう、改良を重ねてゆきましょう。
※乗泉寺(渋谷)では、今月31日まで、夏期参詣という夏のご修行期間です。毎日朝と夕方に御法門が説かれ、午前8時半から午後8時までは、本堂後方の「御法門聴聞室」で御法門のビデオを見ることができます。是非、お寺へいらしてご信心の教えを伺ってみてください。