被災地復興支援で感じたこと

昨年の話になりますが、十月二十、二十一日の二日間に亘り、修学塾の研修旅行でいわきに行って参りました。

この旅行は被災地の復興支援を目的としたものでした。まず最初に小名浜に向かい、海岸に御本尊をおまつりし、海に向かっての慰霊法要が営まれました。

あの海のどこかにまだ御遺体の見つかっていない方がいるのか、と思うと胸が詰まる思いでしたが、 「どうか苦しむことなく、一日も早く生まれ変わり、共に菩薩行を歩むことができますように」との願いを込めて、声の限りお看経に励ませていただきました。

その後は昼食をいただき、魚市場で買い物をしましたが、そこで働く従業員や漁師の方々の笑顔が実に明るくさわやかであるのが、印象的でした。

あの忌まわしい三月十一日以来、原発に関する風評を受け、近隣の海で採れた魚介類もすべて検査にかけなければ売れなくなり、そのため値段が今までの四倍に跳ね上がってしまったとのこと。そのため廉価で販売されている品物は千葉や茨城の港から運んできたものである、という話を伺い、我々にはうかがい知ることのできない苦労が、まだまだあるのだという事を改めて実感させらました。


それでもそうした逆境にめげることなく、元気に働かれる方々の様子に、却って勇気をいただきました。


夜は「スパリゾート・ハワイアンズ」で一泊しましたが、ここも大震災では大変な打撃を受け、一時は営業停止に追い込まれたとの事でした。ここで働くフラダンサーの中にも、地元地域が被害に遭い、引っ越しを余儀なくされた方もあったそうです。またファイアーダンサーの方も、せっかく雇用された矢先に、あの大災害が起こったため、一時は解雇を宣言されたが、その後再雇用となり、現在に至ったとのお話でした。

 この旅行は、復興支援が目的でしたが、私はむしろ反対に地元の方々から、勇気と希望という大きなお土産を頂いたように思います。「冬は必ず春となる」御弘通に生きる我々教務も、明るい展望を信じ、前進しなくてはならないと教えられた得難い旅でした。

寒さはまだまだ続きますが、このくらいで負けてはいられません。寒参詣も残りわずか。精一杯のお看経、御奉公に努め、今年一年の信心の土台作りに努めたいと思います。

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