臨終を先に

先日、御法門で「先、臨終の事を習うて後に他事を習うべし」とお祖師さま(日蓮聖人)の御妙判(お言葉)を聴聞させていただきました。 

生あるものは、誰でも臨終(死)を迎えるもので、未来に必ず訪れる臨終のことを常に第一に考えて、日々の生活を改めていくことの大事をお教えです。 

仏様は、前世の行いが現世に影響し、現世の行いが来世に報われるという因果の道理をお説きになられました。ですから、現世の行いを良くしていけば、未来には良い臨終の姿を顕すことができるわけです。 

そういう意味で、お祖師様は、臨終のことを第一目標として生前の行いを正しなさいとお教え下され、また、大きな目標をしっかりと持つことで、日々の仏道修行を大切にできるものだとお諭しになられているのです。 

このことは世間でも同じことが言えると思います。例えば、野球などのスポーツにおける大きな目標はチームの優勝といえるでしょう。その目標を実現させるため、選手たちは、打撃、投球、守備、走塁という練習に一つ一つ取り組んでいるわけで、日々の練習の積み重ねが優勝に結びついていることは、どなたでも理解できる所でしょう。 

仏道においても、寂光参拝という安らかな臨終を目標に持つことで、日々しっかりと功徳を積ませていただくことができるのです。しかし、その目標を見失ってしまいますと、惰性的な信心修行になってしまい、功徳を積むどころか罪障を積んでしまうこともあるのです。 

私自身も恥ずかしながら、目先のことについ振り回され、未来の目標を心から離してしまい、仏道に力が入らないことがあります。 

そのような時に御法門で「臨終を先に習うて」とのお言葉をいただき、身の引き締まる思いがしました。まだまだ未熟ものの私ですが、日々の御法門をしっかりと聴聞して、そして、御題目口唱行にもしっかりと勤めていきたいと思います。

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