乗泉寺通信2月号に掲載された文章を抜粋してお届けします。
死への道から乗泉寺にふらりとお参りしたことで、苦しみのどん底から救われた一人のご年配の女性より昨年、一通の手紙と金一封が送られてきました。
「今から40年前の事です。夫からの暴力より逃れる為に、3歳の長女の手を引き、2歳半の次女をおんぶして、渋谷付近を歩いていました。私の手を強く握りしめる長女をみて、その悲しそうな、心配そうな顔で私は『はっ』としました。電車の線路の上を歩いていたのです。
あの時、線路から出て歩いていると、お年寄りや40~50代の大勢の方が歩いて行くのが見えたので、その後をなんとはなしに付いて行くと、「乗泉寺」というお寺さんの石段を上がって行き、さも信者さんのような顔をして、こっそりお参りして帰ってきました。あの石段、お参りに来られた人達のことを今でもよく思い出します。
今まで何度も何度も、あの長女の強く握った手、私を見ていたあの目……思い出す度に泣けてきます。長女は憶えていないようです。お寺さんにお参りして『これから、二人の娘を大切に育ててまいります』と心で約束させて頂きました。
本当に今日まで頑張って来られたのも、乗泉寺さんでの一時の間があって、仏様にお約束したという気持ちが、私を今日まで頑張らせてくれたのだと思います。私もやっと年金を頂いて、静かに暮らしております。長女も次女も、優しくて静かな婿さんに恵まれて暮らしいています。心ばかりですが、仏様にお花をお供えして下さい。」 とのお手紙です。
このご家族は、どのようなご因縁でしょうか、線路の上を歩いていた所が乗泉寺の近く、お参詣に励むご信者の姿に引かれて、ふらりと参った本堂で、沢山の信者の御題目口唱の音声につつまれ、自然と生きる力を授かったのです。佛立のお寺は、何と素晴らしく、貴い有難い場所でありましょう。
お寺は積功累徳の場、御利益の宝の山ですから、お寺の土を踏むことが大事なのです。また、そのお参詣の姿が他の人を導くことにも繋がるのです。
本日と明日の二日間、開導会が奉修されております。家族みんなでお参詣させて頂くことをお勧め申し上げます。
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