どんな時でもあきらめず


今年93歳になられるSさんはお寺参詣を楽しみにされ、木曜の午後には自主的に教化成就のための祈願口唱を、本堂で一時間なさいます。

また帰りには霊堂のお掃除をされ、ご自宅の御宝前のお給仕も欠かすことがなく、八十代のご家内とともに、ご夫婦でご信心に励まれています。

そんなSさんですが、昨年九月に腎盂炎を患い、また十一月には肺炎と診断され、高齢でもあることから医師には「親戚を集めて最後のお別れをするように」と宣告されてしまいましたa。しかしその月に予定していたご自宅での甲お講を何としても奉修したいとの思いから、病室の棚の引き出しに懐中御本尊をお伴し、ベットの上でお看経に励まれました。

そうしたところ、入院一週間目には真っ白になっていた肺がもとどおりになり、甲御講もご家内や部内のご信者の協力を得て、見事に努めることが出来ました。

またこのほかにも還付金詐欺の被害をまぬがれるなど、多くのご利益をいただかれました。日頃ご法門で聴聞する通り、教化の願いを前面に出し、どんな時でも前向きにあきらめないSさんのご信心前が身を結んだものと感得しました。

私たちは少し具合が悪くなるとつい気弱になり、もうこれ以上はできないと自分を抑えてしまうことがあります。しかしどのような状況でも御利益がいただけるよう仏様がのこして下されたのが、上行所伝の御題目なのです。この御題目をもっと大切にし丁寧にお唱えしなくては、と改めて思いました。