ご回向の大切さ

 

1、回向ってなに?

2、人間関係が改善

3、不思議な体験

4、ご回向のしかた

5、彼岸会とは

6、ご教歌・ご指南

7、忌日・年回について

 

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1、回向ってなに?

回向とは「まわし・むかわせる」という意味で、ご先祖をはじめとする過去の人々の幸せを願ってさせていただく尊い行いのことです。この回向の大切さは仏様のお弟子の目連尊者の話に由来します。

目連尊者が神通力で亡き母を探してみると、生前における慳貪の報いで餓鬼界にいることが分かった。とても飢えていたので、目連尊者は神通力で水や食べ物を送ったが、母が口に入れようとすると、ことごとく燃えてしまった。

仏様に相談をすると「安居の最後の日に仏道修行者に食べ物を施せば、母親にもその施しが口に入るだろう」と教わり、仏道に励むものに食べ供養をすると母親の口にも食べ物が入るようになった。という話です。

功徳という善根を積むからこそ、亡き霊魂に振り向けることはできるのです。亡き諸精霊に私たちの思いを届けたい、亡くなった方の苦しみを取り除いてあげたい、それが回向の精神なのですから、諸精霊のもとへ間違いなく届く回向を大切にしていただきたいのです。

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2、人間関係改善

高利貸しに追われ困っている家族が「たとえどんな人であっても相手の先祖をよく弔うことが肝心」と回向の大事を教わり、その通りに高利貸しの先祖の回向をされました。

すると一週間目に相手の態度が急にかわり、こちらの都合がよいように取り計らってくれるようになったのです。そして会社を再建することができたのです。今では手広く商売ができており、これも御法様のお陰と大変随喜されております。

その他にも学校や職場のいじめなどの人間関係のトラブルが回向の功徳で改善する体験をされている方もおられます。

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3、不思議な体験

私は幼い頃、二人の妹と家庭の事情で別れ別れになりました。母と私が妹二人を残して家を出た一年後に末の妹が四歳で亡くなったと風の便りで聞きました。

そして二十数年ぶりで判明した妹のお墓は無縁仏が納められている納骨堂でした。とてもショックで心が痛みました。それからの集中的に妹のご回向をしました。

その数日後のある夜、別れてから一度も夢に現れなかった幼い妹が夢の中に出て来たのです。なぜか可愛い小袖の着物を着て私に背を向けて小さな体を左右に大きく揺らして全身で喜びを表しているのです。

ご回向が妹に通じたと確信しました。あの全身で喜びを表現していたが後ろ姿は今でもハッキリと私の脳裏に焼き付いています。

・不思議な体験2

あるご信者の枕元に知り合いの女性の霊が立ったのです。その女性が亡くなってから四十九日目のことでした。女性の霊はご信者に向かって、息子が呼んだお寺の御経で回向してもらったとたん、真暗闇につき落とされた。なにとぞ御題目でご回向してもらいたい、と切に願うのでした。

翌朝、女性の霊の息子の元へ走り、昨夜のことを話すと、息子の枕元にも三度立ったけれども、どうにもできず、なおざりにしていたとのこと。早速、上行所伝の御題目で回向をすると、その夜、息子の枕元に立ったのは笑顔で礼を言う母の姿でした。

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4、ご回向の仕方

まずは御題目(上行所伝)をご自分で御題目の御本尊に向かってお唱えすることです。

忌日、年回忌の時だけでなく、できれば毎日、御回向を心がけ朝夕と御題目をお唱えしましょう。

お寺へ参詣しお塔婆を立てさせていただきましょう。法華経に「起塔供養」という言葉があり、御題目の宝塔を建立し供養する大事が説かれています。またお供物を奉納し、回向料を納める方法もあります。

その外にも御講といって、ご法門(仏様のみ教え)を学ぶ道場を毎月奉修していますが、その御講の願主・席主になることが一番結構なご回向の在り方とのご指南もあります。     

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5、彼岸会とは

彼岸会とは春分・秋分の日を中心に前後一週間に営まれる行事のことですが、元来、彼岸とは至彼岸というのが本当です。

生死の苦しみに迷うこの娑婆世界を此岸といい、悟りの世界である寂光浄土を彼岸といいますが、仏様は此の岸から彼の岸に渡る方法として、六度行という六つの修行を教えられました。

布施、持戒、忍辱、精進、禅定、智慧の六つの修行を成就することを至彼岸というのです。ですから、自らが六度行を実践し、自分はもとより、亡き方も祈るものが彼岸というもので、それが時代を経て、亡き方の彼岸を祈る回向のみの風習が残ったようです。

当宗では、常盆・常彼岸といって常日頃から、ご先祖のお陰を感じ信心修行をしており、本来の彼岸への修行を純粋に守っておりますが、このお彼岸の時期には、重ねて懇ろにご回向をしております。

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6、御教歌・御指南

御教歌

目に見えぬ物は皆うそなしといひて 先祖の御霊祭りせざるや

なきたまの名をいつまでもしるしおきて 仏立講でとむらわんとよ

施餓鬼して 経よまんより 法界の 回向に口唱 するぞめでたし

御指南

本門の肝心南○経の五字を以て過去精霊をも弔ひ奉る此真実の孝行也

此音声法界に行きわたりて一切の亡霊みな苦をのがれ、楽を得る大功徳ありと悦ぶベし

先祖の弔いせんと思はば、宗祖御本意の御抄の御法門を、請い招き、信者打ち寄り、本門の肝心、上行所伝の御題目を、口唱して、御法味に備え、口唱の信者に、供養して、此無量無辺の大功徳を以て、過去帳中一切の諸霊魂並びに法界群霊に回向すべし

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7、忌日、年回忌(以下の日に追善供養を行います)

・初七日忌 ― 亡くなられた日を入れて七日日。

・二七日忌 ― 初七日に七日を加えた日(三七日~尽七日まで同じ)

・百カ日忌 ― 亡くなれた日を入れて百日目

・月命日   ― 亡くなった日と同じ日(毎月)を云います。

・一周忌  ― 帰寂後一年目の命日を云います。

・三回忌  ― 帰寂後二年目の命日を云います。

・七回忌  ― 帰寂御六年日の命日を云います。

・祥月命日 ―  亡くなった同月同日(毎年)を云います。

・逮夜   ― 以上の忌日の前日を逮夜と云います。

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