ご住職をお迎えする喜び

先日、実家で甲の御講が奉修されました。

甲の御講とは住職御講ともお導師御講とも呼ばれます。当日には私たち夫婦も準備御奉公をさせて頂き、玄関をきれいに掃除したり、ご供養のお弁当を注文先へ取りに行くなど、お手伝いをいたしました。 

晴天しかも汗ばむような暑い日差しがある中で、30名を超すお参詣がありました。いつもは受け持ちお教務さんに乙のお講を奉修していただきますが、やはり乗泉寺のご住職が直々に御講をつとめていただくと、身も心も一段と引きしまるように感じられます。 

幼少から住み慣れた実家にご住職をお迎えし、御宝前の部屋を道場としてたくさんの御題目があがり、ご住職の御法門を聴聞させていただけるわけで、それらの功徳が家中に満たされていくように感じられ、甲お講の席主となる功徳の大きさをかみ締めました。 

ご住職はご多忙で次席があるため、直接お話させていただくことは出来ませんでしたが、裏方に回って御奉公させていただけたことをとても嬉しく思いました。 

また、当日お参詣くだされたご信者さん方にも、有難うございましたと御礼を申し上げたい気持ちで一杯です。 

甲御講の参詣者
私も今は独立することが叶いマイホームを構えておりますが、いつの日か実家のようにご住職をお迎えして、自宅で甲の御講を奉修させていただけるように、これからも尚一層と御奉公に頑張っていきたいと思います。(K.T)


修繕は貴し

「人間は病の器」といわれるくらいで、じつに巧妙にできている人体も、年中ガタがきていると申しても言い過ぎにはならぬ感じのするときがあります。表面には出なくとも、内面では、どこかが蝕まれているでしょうし、一日一日老化現象の進んでいることも間違いないことです。

諸行無常は世の常で、万事、同じ状態にあることは望めぬことですから、その変化が起こったときの対策は常に考えておくべきで、いたずらに愚痴や不平を言ったり、他のせいにして怒ったりするのは未熟な人のすることです。雨がもれば修繕したらよいのです。腐蝕していたら大手術をすればよろしいのです。修繕が不可能なら建直しを考えるのです。

いたずらに愚痴ったところでどうなるものでもありません。何とか生かすことを考えねばならぬのです。新しい材料を使って、モノを製造することは、だれでも気持のよいものでしょぅが、古いものに手を入れ、修理をしたりすることはおもしろくはありますまいし、面倒くさいといえばたしかに厄介な仕事です。利益の点からも、新製品を売る方が儲けが多いでしょうし、製造業者といえば尊敬されますが、修理業者は軽く見くびられがちです。

どうして自動車を作る人がエラクて、それを修理する人はエラクナイのであろうか。修繕業者は、ほっておけば死ぬはずのものを、よみがえらせる仕事をするのです。製造と修繕は少なくとも同格に見るのが至当なのです。ことにクツ直しなどをみくびる法なんてどうかしているのです。 

人間の場合なら、医者も立派な修繕業者です。作り出す能力は持っていません。ただぐあいの悪いところを修理する仕事だけしかできないのです。しかし世間では医者を先生として尊びます。それは人間の病痛をとる慈悲の行ないをするからです。

昔からコウモリガサの直しも、下駄の歯入れも、ものを生かす仕事にはかわりがなく尊いものでした。また修繕業者は折れたものをつぎ、サビたものはみがいて、物を生かそうとする医者の仁術に比すべきものがあるのです。しかも世人からは修繕屋として一級下のもののように取り扱われていながら、黙々と物の更生をはかっているのです。物に心があれば修繕業者を拝んでいるに相違ありません。修繕の徳を悟ってください。

妙とは蘇生の義と解釈されていることは、皆さんご存知のことでしょう。妙法とは、悪人を更生させる神通力をもった御法様ということです。女人成仏も畜生成仏も悪人成仏も二乗作仏の御利生も法華経のみが達成したものであって、他の御経では不可能だったのです。棚の隅にしまい込んであってもう役に立たない廃物を引き出して、修繕し、もとの姿に返し、立派に通用するようにする、そういう、不思議自在の働きを、ホメタタエた言葉が妙なる法、妙法と申し上げるのです。

したがって妙法の信者は修繕の徳を知る信行者でなけれはなりません。三毒強盛の人々が、信仰的には不具者であることを考え、それを修理するためのご奉公をするのが、日蓮門下のつとめだということもお互いに自覚せねばなりません。教化、折伏、参詣、助行などひとロにご奉公と呼んで日々行なう信心のつとめを軽々しく考えてはいけません。

この修繕の徳を自覚し、情は人のためならずと、菩薩行に精進する信心の持ち主が諸行無常の世に対処して妙法のヨミガエリの御利益を人々に教示し、現当の御利益を体得せしむるお役に立つ信者となれるのであって、この大果報を予想し喜び勇んで信行にはげんでください。

日晨上人要語録より


7月に入りました。

桔梗本日から毎年恒例の夏期参詣が始まりました。後期弘通年度の始まりとして、御奉公成就と教化誓願達成を祈念しましょう。

その日一番始めの身体を使い、一番始めの時間を使って、お寺へと足を運ばせます。

そうすることで御法様のお護りをいただけ、心の安定も計れ、その日一日をより安全に快適に過ごせる御利益をいただけます。

今の自分を変える好機ですから、互いに励まし合って朝参詣に気張りましょう。

また、15日には、こども御会式を奉修致します。模擬店やゲーム等もあり、宗外の人達も楽しめる企画となっています。お子さん、お孫さん、近所の子供達をお誘いして乗泉寺に親しみをもっていただきましょう。

さらに、今回の夏期参詣では21日、28日の朝参詣後に震災復興支援朝市を開催し、被災地の物産を販売いたします。売上げ金は被災支援義援金とさせていただきます。被災地支援のため、ご協力の程宜しくお願い致します。

●夏期参詣

渋谷本寺・世田谷別院   開門・・・6時、御法門・・・6時50分・7時50分
2座目の御法門前には、各連合より「信行体験談」の発表があります。

※渋谷本寺へは朝参詣時、渋谷駅~乗泉寺正門前を無料シャトルバスが運行されますので、ご利用ください。また、渋谷本寺では、夕看経時の16時50分にも御法門が説かれます。

○新座別院   開門・・・6時半、御法門・・・7時45分

●7月の主な予定 

14日(日)夏季回向(八王子別院・午前10時)
15日(祝)子どもお会式(午前10時半)
16日(火)夏季回向(世田谷別院・午前10時半~)
20日(土)信徒教養講座(午前9時半~)
21日(日)第1回震災復興支援朝市
28日(日)第2回震災復興支援朝市