夏期参詣御利益談

去る5月6日の夕方の事です。「自転車で転倒し怪我をした。今から仕事仲間が迎えに来てくれるから、このまま病院に行ってくる」と長男から電話が入りました。 

帰ってきた息子の話しによると、その日は茨城県で竜巻が起きた日で、東京でもとても強い風が吹いており、新宿ビルの間を走っていた所、突風に煽られ転倒してしまったとの事。転倒した場所が車道だったので、とり合えず自転車を歩道に移し、また乗って帰ろうと思った時、右肩に痛みを感じ、近くの交番で手当を受け、病院に向かったそうです。 

病院では複雑骨折と診断され、一週間後に手術をするようにとの話しでした。しかし、右肩はタスキで固定されているものの、会話も普通にでき、痛そうな表情をしているわけでもなく、とても複雑骨折をしている様には見えませんでしたので、私は、大した怪我ではないと思っておりました。 

手術は、怪我から約1週間後の14日に決まり、前日13日の午前9時に入院。13日は我が家であゆみ会御講が勤まり、お講師はじめ、皆様にお助行を頂け心強い思いがいたしました。また当日の14日にも、部の御講があり、そこでも皆様のお助行を頂くことができました。  

手術は4時からでしたので、御講席から次男と病院に行き、仕事仲間も心配して駆けつけてくれていました。手術は予定通り2時間ほどで終りました。その後、先生からのレントゲン写真を前に説明を頂き、私はある一枚の写真に愕然としました。肩の欠損部分と肩の奥の部分が空洞になっており、骨が粉々になっていたのです。先生は、「これには僕の予想以上でした。人工骨も使いボルトで止めてあります。」と言われました。私は言葉を失いましたが、続いて先生が「手術には何の問題もありません。後は回復のみです。」との言葉に少し安心しました。 

その夜、私は誰に言うとは無しに、「兄ちゃん自転車乗りこなすのに上手くかわせなかったのかな、残念ね」とつい愚痴ってしまいました。側にいた次男が、「お母さん、兄ちゃんが転倒した所は何処だと思う?車道だよ、それに頭を強く打っていたら今頃どうなっていたと思う」と諭され、これは御宝前に不足を訴えていたのではと思い、速お懺悔をさせていただきました。お寺では、手術成功のお礼をさせていただき、次の日には罪障消滅の願いも込め、術後経過良好のお看経をさせていただきました。 

すると、1週間の入院が必要な所を何と術後3日目には、いつ退院しても良いとの話しを先生より頂いたのです。それには私もびっくり。寝起きする時に、ちょっと肩に負担が掛かるようですが、術後の4日後の18日に退院することが出来ました。 

私は、これは皆様のお助行のおかげと随喜いたしました。また、息子も入院中、ハンガーに掛けた上着のポケットから、懐中御本尊を覗かせ朝夕の御看経を頂いていたそうです。退院後も思った以上の早い回復をみせ、ボルトを外すのは1年後と言われておりましたが、術後4週間目の診断では、半年、早ければ4ヶ月で外せるとの話しを先生より頂きました。 

振り返りますと、息子が複雑骨折という大きな怪我をしながらも、私達家族はいつもとあまり変わらない生活を送ることが出来ていたように思います。日々の御奉公に支障がでることもなく、息子も良い仕事仲間に恵まれ、肩に負担が掛からない仕事を回してくれ、退院の翌日には仕事に復帰していました。これも、御信心のお陰だと随喜しております。 

また、私がつい愚痴を言ってしまった時には、次男が折伏をしてくれ、そして、入院中にも御看経をしていた長男の話しを聞いて、かえって息子たちに御信心の大切さを教えてもらったようにも感じております。 

このような家族一同で御信心に励める喜びを改めて感じることができたのも、御法様からの大きなお計らいだと受け止めさせて頂いております。今後は、この御恩に少しでも報いることができるように、家族一同で、報恩御奉公に励ませていただきたいと思います。(A.A)


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