平安時代の信仰

源氏物語一般に読書の秋と言われるこの頃、私も知人から頂いた「源氏物語」に夢中で、ひまを見ては少しずつ読み進めております。

現在の住まいが、作品の舞台となった土地にほど近い事も相まって、感慨もひとしおです。

花鳥風月に彩られた四季を背景に、艶麗な和歌を織り交ぜて物語は進行していきます。

 

作中描かれる目も綾な装束の数々、笛の音色や琴の調べ、心ときめかす薫物のかおり。典雅な調度品や手回りの品々。きらびやかな殿上人の生活をあざやかに伝える資料として、この物語は古来より日本人の美意識に多大な影響を及ぼしてきたと
いわれております。

加えて仏教思想、因果の道理や無常観を底に秘め、また六道輪廻をめぐる人間の煩悩も描かれ、真に神秘的で奥深い、世界にも稀な文学作品である事に疑いありません。

私はこの時代の貴族たちがどのように宗教をとらえ、信仰していたのかに興味を覚え、源氏物語の各巻から宗教儀礼に関する描写をざっと拾い出してみると、実に様々な宗教行事が登場します。

崇める神仏もバラバラなら宗派も種々雑多。実にめまぐるしく、よくこれだけの行事を整理して行っていたかと驚かされます。これがやんごとなき人々の習慣であったのでしょうが、これには多くの人員を要し、莫大なお金と時間がかかり、およそ庶民には縁のない話であった事は明らかです。

一方、一般大衆の生活は雲泥の差で、相次ぐ天災や飢饉から困窮にあえぎ、道ばたには屍あまた、酸鼻を極める光景も日常茶飯事という有様です。

文豪芥川龍之介は「羅生門」の中でこうした惨状をリアルに描いています。狐狸や盗賊の棲家となった町はずれの一画で、老婆は闇夜に紛れ死んだ女から髪を抜き取ります。これをかつらにして生活の糧にするためです。そして死んで髪を抜かれている女もかつては、蛇の肉を干し魚だとだまして売って生計を立てていたというのです。

この絶望的な状況が当時の庶民の現実でした。こうした哀れな人たちを救済するための信仰はほとんどないに等しく、寺院は国の管理下におかれ、僧侶たちはいわゆる公務員の立場で、役人としての仕事に追われ、本来の役割を果たしておりませんでした。

次第に来世に望みを託す阿弥陀信仰が弘まっていくものの、現世における衆生救済を説く高祖大士がご出現遊ばされるのは、まだ先の話です。

翻って現在の私達の暮らしはどうでしょう。インターネットを使えば、必要な情報や衣食住にわたりあらゆるものが手に入る生活です。かつての王朝貴族でさえ、夏には御簾やかき氷で暑さをしのぎ、冬には火桶で寒さをふせいだそうですが、今はボタン一つでどこでも快適という贅沢ぶりです。

こうした中で、感謝を忘れわがままになり、み仏へのお敬いが薄れるのもやむを得ない趨勢かもしれませんが、こうした時代だからこそ、過去の歴史を振り返り、身の回りにある恵みを実感する事が必要ではないかと思われるのです。

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