お坊さんになるまで

先日、大津の佛立寺にて得度式が行われました。今まで関西地方の形式を見たことも、聞いたこともなかったのでとても勉強になりました。また、自分自身が得度した当時のことを思い返すことが出来たので二重の喜びとなりました。

得度とは、仏門に入り僧侶になることですが、誰でもお寺の門をくぐってお坊さんになりたいと表明すれば、それで得度が許されるというモノではありません。極端な話しですが、いきなりご住職に「僧侶にしてください」とお願いしても、「はい、わかりました」とトントン拍子にものごとが運ぶわけではないのです。

学生が社会人となるためには入社試験を通過しなければいけないように、得度するにも筋道というものがあるわけです。たとえば、誰でも入社したばかりの頃は仕事が全く分かりませんから、先輩達の仕事ぶりをみて業務の内容を少しずつ把握してくるもので、当然ながら新人の時から人を指導することなど出来ないものです。

それと同様に、得度するまでの課程はそれぞれのお寺によって千差万別でしょうが、たいてい最初は見習いといって師匠や先輩のお給仕をさせていただき、御奉公をイロハから教えていただきます。

その見習い御奉公の内容とは、主にお掃除をすることで、御宝前(仏様を奉っているところ)や水屋(おふきんなどを洗うところ)、先輩諸師の身の回り(机や本棚、トイレ)などをとにかくキレイにすることです。これらの御奉公を通して、自分の考えに執着する「我」という汚い心が掃除されて、御法様の教えのままを純粋に受け止められる、素直な信心前を養うことができるのだと教わります。

私も入寺して師匠から初めて教わったことは今でも鮮明に覚えています。それはトイレにおいてあるスリッパの向きのことです。そのトイレは私だけしか使わないので、次に使う人は自分だから大丈夫、誰にも迷惑をかけないからと思って、スリッパの向きを戻さずにおいたのです。

そうしましたら、師匠が私のことを叱るためにわざわざ部屋まで足を運んでくれて「これではダメです。『立つ鳥後を濁さず』というように、ちゃんと揃えておくものです。そして、いざというときに備えて、すぐに使えるように準備しておくものですよ。」と優しく教えてくれました。

とても有り難いことなのでしょうが、当時は「なんで?自分しか使わないのに…そんなの必要ないじゃん!」と、師匠の言葉を素直に聞くことが出来ませんでした。きっと自分の「我」が出たことによって、叱られたことに反発したのだと思います。でも反抗したわりに内心はビクビクで、明日からどうなるんだろうと、不安な気持ちでお寺の生活が始まったのです。

しかし今にして思えば師匠から教わったことが、本当に大事な自分の肥やしになっていると、わずかながらも気づけるようになりました。スリッパの向きを直すという小さな事柄の中に、明日のために今できることをしっかりして、怠りなく日々精進していくことの大事を教わったように思います。

このような見習の御奉公を思い出させてくれた今回の得度式でした。まだまだ「我」の取れない私ですが、お師匠から頂いた教えを忘れず、日々精進していきたいと思います。

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